新型コロナウイルスの流行により海外渡航が難しい時期が続きましたが、現在では海外派遣や国際交流も少しずつ再開されています。
私自身も世界一周旅行を終えたあと、「海外で教育に携わる仕事がしたい」という思いから青年海外協力隊(現:JICA海外協力隊)を受験しました。
結果として選考には合格しましたが、さまざまな理由を考えた末、最終的には辞退という決断をしています。
この記事では、実際に受験した経験をもとに、
- 青年海外協力隊の概要
- 志望した理由
- 一次・二次選考の内容
- 面接で聞かれた質問
- 合格後に辞退した理由
について詳しく紹介します。
これから青年海外協力隊への応募を考えている方や、国際協力に興味がある方の参考になれば幸いです。
こんにちは。Ao-haru旅のAoです。
教員を辞めて世界一周をしていました。(現在はまた教員やってます)
世界一周ブログランキング参加しています。もし宜しければ、下のアイコンをクリックしていただけると嬉しいです。ランキングに反映されるので励みになります。
![]()
にほんブログ村
青年海外協力隊(JICA海外協力隊)とは?
青年海外協力隊(現在はJICA海外協力隊)は、日本政府によるODA(政府開発援助)の一環として、JICA(国際協力機構)が実施している海外ボランティア制度です。
教育、農業、医療、スポーツ、環境保全など120以上の職種があり、開発途上国を中心に約2年間派遣されます。
教育分野だけでも、
- 小学校教育
- 中等教育
- 理数科教育
- 特別支援教育
- 職業訓練
など幅広い要請があります。
テレビや書籍などで青年海外協力隊の活動を目にしたことがある人も多いのではないでしょうか。
私自身も子どもの頃から、「海外で日本人が学校を建てたり、医療や農業支援を行っている」という話を見聞きし、「いつか自分もそんな活動に参加してみたい」と思っていました。
世界一周旅行を経験したことで、その思いはさらに強くなりました。
私が青年海外協力隊を志望した理由
私は中学校で理科教員として勤務していました。
その経験を海外でも活かし、教育を通して子どもたちの未来に少しでも貢献したいと考えたことが受験の大きな理由です。
具体的には、次のような思いがありました。
- 海外で教育支援に携わり、日本人として国際協力に貢献したい。
- 学生時代に東南アジアを旅行した際、日本の支援によって建設された学校や橋を見て、日本の国際協力の大きさを実感した。
- 教員という仕事以外の世界も経験し、自分自身の視野を広げたい。
- 世界一周を通して、教育格差や貧困、ストリートチルドレンなど、日本ではなかなか見ることのできない現実を目の当たりにした。
- 発展途上国では理数教育のニーズが高く、自分の専門性を活かせると考えた。
- これまで培ってきた教員や個別指導塾での経験を、子どもたちの未来のために役立てたいと思った。
特に世界一周では、国によって教育環境や生活環境が大きく異なることを実感しました。
学校へ通えない子どもたちや、十分な教材がない教室を目の当たりにし、「自分が持っている知識や経験でも役に立てることがあるかもしれない」と強く感じました。
もちろん、一人の力で世界を変えられるとは思っていません。
それでも、自分にできることを一つずつ積み重ねたい。その思いが青年海外協力隊への応募につながりました。
こちらもおすすめ
青年海外協力隊(JICA海外協力隊)の選考の流れ
ここからは、私が実際に受験した青年海外協力隊(JICA海外協力隊)の選考内容について紹介します。
募集内容や選考方法は変更されることがあるため、応募を検討している方は必ずJICA公式サイトで最新情報を確認してください。
一次選考(書類選考)
一次選考は基本的にオンラインで完結します。提出書類は多いですが、一つひとつ準備すれば難しい内容ではありません。
① 応募者基本情報(応募者調書)
履歴書のような基本情報を入力し、顔写真をアップロードします。
- 氏名・住所などの基本情報
- 学歴・職歴
- 保有資格
- 顔写真の登録
一般的な就職活動のエントリーシートに近い内容です。
② 希望職種・派遣要請の登録
応募する職種を選び、派遣を希望する要請を第1希望から第3希望まで登録します。
教育分野だけでも、小学校教育・中等教育・理数科教育・特別支援教育など多くの募集があります。
派遣国だけではなく、活動内容や求められるスキルまでしっかり確認して選ぶことをおすすめします。
③ 語学力の申告
TOEICや英検などの語学資格を提出します。
要請によって必要な語学レベルは異なりますが、多くの場合は中学校卒業程度(英検3級・TOEIC330点程度)が最低基準となっています。
もちろん、英語力が高いほど応募できる要請の幅は広がります。
④ 志望動機・応募用紙
一次選考で最も重要なのが、この応募用紙です。
私が受験したときは、以下のような内容について記述しました。
- 青年海外協力隊へ応募した動機
- ボランティア活動に対する考え
- 希望職種を選んだ理由
- これまでの経験や専門性
- 自分の弱み
- 自己PR
- 派遣後にどのような活動を行いたいか
- 帰国後に経験をどう生かしたいか
かなり文章量は多いですが、「なぜ海外協力隊へ行きたいのか」「現地で何を実現したいのか」が明確であれば、それほど書きにくい内容ではありません。
応募前には経験者へ添削を依頼する人も多いようですが、私はあえて添削は受けませんでした。
文章をきれいにまとめることよりも、自分自身の言葉で率直な思いを書くことを大切にしたからです。
⑤ 技術調書(活動経験)
これまでの職歴や資格、専門分野での経験を記入します。
教育分野で応募する場合は、教員経験や指導実績、研修歴などを具体的に書くとアピールにつながります。
⑥ 健康診断書の提出
意外と大変だったのが健康診断です。
私は世界一周中だったため海外で受診することも考えましたが、フランスで見積もりを取ったところ約10万円と言われ、日本へ帰国して受診しました。
健康診断の基準は比較的厳しく、私も一部項目で再検査となりました。
時間もかかるため、応募を考えている方は早めに準備しておくことをおすすめします。
健康診断以外の手続きは、ほぼオンラインで完結しました。
二次選考(面接)
一次選考を通過すると、次は二次選考です。
二次選考では、JICAが指定する会場で面接が行われます。(職種によっては実技試験や作品提出がある場合もあります。)
面接を受けた印象としては、知識を問う試験というよりも、派遣要請とのマッチングやストレス耐性、そして現地で柔軟に活動できる人物かどうかを重視しているように感じました。
実際に私が聞かれた質問は以下のような内容です。
- なぜこの3か国を希望したのですか?
- なぜ小学校教育を希望したのですか?
- 算数を教えた経験はありますか?
- 要請内容と違う仕事を依頼されたらどう対応しますか?
- 現地の先生とどのように信頼関係を築きますか?
- 教員を辞めようと思った理由は何ですか?
- ストレスを感じたときはどのように対処しますか?
- 周囲を巻き込みながら活動した経験はありますか?
質問内容は派遣先や職種によって異なりますが、「柔軟性」「協調性」「主体性」を見られている印象でした。
海外では思い通りにいかないことが多いため、自分の考えを押し通すのではなく、現地の文化や価値観を尊重しながら活動できるかどうかが重要なのだと思います。
面接では模範解答を暗記するよりも、自分自身の経験や考えを、自分の言葉で伝えることが一番大切だと感じました。
合格した私が青年海外協力隊を辞退した5つの理由
ありがたいことに、私は一次選考・二次選考ともに合格し、青年海外協力隊の候補生として採用していただきました。
しかし、最終的には派遣を辞退するという決断をしました。
ここで紹介する内容は、あくまでも私が当時感じたことや判断した理由です。募集内容や制度は変更されることもありますし、人によって受け止め方も異なると思います。
これから応募を考えている方の判断材料の一つとして読んでいただければ幸いです。
① 希望していない要請で合格した
一番大きな理由は、希望していた要請とは異なる内容で合格したことでした。
応募時には、第1希望から第3希望まで派遣要請を提出します。
私は派遣国や活動内容、使用言語などを何日もかけて調べ、「この要請なら2年間本気で取り組める」と考えて希望を提出しました。
しかし、実際に合格したのは、その3つの希望とは異なる要請でした。
もちろん、JICA側にも全体のマッチングや配置の事情があることは理解しています。
それでも、希望との違いについて事前の相談や確認がなかったこともあり、正直なところ戸惑いを感じました。
2年間という決して短くない時間を費やす活動だからこそ、「本当にこのまま参加していいのだろうか」と考えるきっかけになりました。
② 派遣時期が希望と異なっていた
私は世界一周から帰国した後、そのまま4月から訓練へ参加する予定で応募していました。
ところが実際に案内されたのは、翌年1月から訓練が始まる隊でした。
教員という仕事は年度単位で動くことが多いため、4月から翌1月までの約9か月間だけ働ける仕事を探さなければならず、キャリア設計が非常に難しくなりました。
派遣時期は自分だけでは調整できない部分もありますが、当時の私にとっては大きな悩みの一つでした。
③ 希望していた学校現場ではなく、教員養成校への派遣だった
教育分野の派遣先は、大きく分けると次のような種類があります。
- 小学校・中学校などの学校現場
- 教員養成校
- 教育行政機関
- 福祉・特別支援施設
私は学校現場で子どもたちと直接関わる活動を希望していました。
しかし、実際に決まったのは教員養成校への派遣でした。
教員養成校では、現職教員や教員を目指す学生に指導する場面もあります。
当時の私は中学校での勤務経験はありましたが、教育者を育成する立場としては経験不足だと感じていました。
「もっと現場経験を積んでから挑戦したい」という思いが強く、この時点では自分には荷が重いと判断しました。
④ 面接のために帰国したが、実際はオンライン形式だった
当時私は世界一周中で、南アフリカから二次選考を受けるために日本へ一時帰国しました。
しかし、実際の面接はJICA施設でのオンライン面接でした。
さらに途中で通信トラブルが発生し、映像が途切れる場面もありました。
もちろん当時はさまざまな事情があったと思いますが、「オンラインで実施するのであれば、海外から受験できる方法もあったのではないか」と感じたのを覚えています。
世界一周を中断して帰国した私にとっては、少し残念な出来事でした。
⑤ 小学校インターンが必須になっていた
最終的に辞退を決断する一番大きな理由となったのが、この小学校インターンでした。
派遣先が教員養成校だったため、事前研修として約10日間の小学校インターンへの参加が求められました。
私は中学校教員として勤務していたため、小学校での勤務経験はありません。
そのため研修自体の必要性は理解できましたが、インターン先は自分で学校へ依頼して調整する必要がありました。
さらに、4月から翌1月までの仕事探しと並行して準備を進める必要があり、現実的にはかなり負担が大きいと感じました。
当時の私には、「今このタイミングで参加するのは難しい」という結論に至りました。
参加するメリットとデメリットを改めて考えた
辞退を決める前に、参加した場合のメリットとデメリットを改めて整理しました。
メリット
- JICAによる充実した研修や生活支援を受けられる
- 語学力や異文化理解を深められる
- 世界中のさまざまなバックグラウンドを持つ仲間と出会える
- 国際協力の現場を経験できる
- 教員として視野を広げる貴重な経験になる
デメリット
- 必ずしも希望どおりの要請になるとは限らない
- 派遣時期を自由に選べない場合がある
- 提出書類や事前準備が多い
- 活動には一定のルールや制約がある
- キャリアとのタイミングを調整する必要がある
これらを何度も比較し、自分なりに考え抜いた結果、今回は参加を見送るという決断をしました。
なお、その後は新型コロナウイルスの影響で海外派遣そのものが停止となったため、結果的には当時参加していても予定どおり派遣されることはありませんでした。
青年海外協力隊は非常に魅力的な制度です。
だからこそ、「参加したい」という気持ちだけで決めるのではなく、自分のキャリアやライフプランも含めて納得したうえで挑戦することが大切だと、今でも感じています。
合わせて読みたい


